キュービクル導入のための4条件
① 設置場所の確保・・・建物から3m以上離すという決まりがある
② 基礎工事・・・屋外の場合は安全確保の金網などが必要な場合もある
③ 設備購入・・・キュービクル(変圧器、LBS、遮断機、各計器類など)の購入
④ 高圧ケーブル工事・・・電線からの引き込み工事を行わなければならない
キュービクルを導入するのであれば、価格相場・導入にかかる日数・低圧/高圧受電の差額・周辺環境など。様々な事柄を調べなければなりません。
このような調査はかなりの工数がかかる他、通常の業務と並行して行うとなると大変な労力が必要です。
このサイトでは、キュービクルの導入に役立つ情報をご提供。変電設備の基本的な知識から、導入コストをカットする方法までをお伝えしたいと思います。
高圧受電設備(キュービクル)とは、高圧電力を受電するために低圧配電盤・遮断器・母線・変圧器・各種計器類など機器一式を金属製の筐体に収めた設備です。機器の形状が立方体(キューブ)をしていることから、『キュービクル』と呼ばれるようになりました。
自社・自店の施設で電力を50kW以上使う際には、必ずキュービクルを導入しなければなりません。何故なら、変電所から送られてくる電気は6,600Vと非常に高圧で、そのままではビルや住宅にある電気機器では利用できないからです。
小型のキュービクル
小型キュービクルは、100kWの電力消費量の設備です。
サイズ:縦×横×高さが、およそ230cm×150cm×100cm。
価格:1機当たり約200万円が相場となっています。
サイズ:小型キュービクル2機分というのが一般的です。
価格: 1機当たりの値段は300~400万円となっています。
サイズ:大型キュービクルは特注品として生産してもらう場合が多くなります。価格:キュービクル本体の値段は様々ですが、500~800万円にもなることがあります。
① 設置場所の確保・・・建物から3m以上離すという決まりがある
② 基礎工事・・・屋外の場合は安全確保の金網などが必要な場合もある
③ 設備購入・・・キュービクル(変圧器、LBS、遮断機、各計器類など)の購入
④ 高圧ケーブル工事・・・電線からの引き込み工事を行わなければならない
キュービクルの導入費用は、おおむね200万円~500万円といわれています。もちろん、施設の規模や電力消費量によって価格は大きく変動します。
100KW コンビニ・小規模の工場 216万円
200KW 病院・テナントビル 300万円
300KW 小~中規模の工場・スーパーマーケット 396万円
500KW テナントビル(大規模)・製造工場・大型病院 600万円
以上のように、安くても200万円、高いときには600万円の金額がかかります。それだけではなく、周辺環境のコンディションによっては更に費用がかさむ場合もあります。
キュービクルの導入には機器の購入だけでなく、設置費用その他の費用も必要です。それなりの費用をかけて、キュービクルを導入するメリットはあるのでしょうか。ここからはキュービクルを導入するメリットについてご説明したいと思います。
キュービクルのメリットが活かされるのは、電気料金の節約です。あなたは、電力会社との「低圧受電(50KW以下)」・「高圧受電(50KW以上)」の区別についてご存知でしょうか。
一般家庭や小規模店舗、テナントのように低圧受電をする場合、電柱とトランスを管理している電力会社に対してメンテナンス料(電力料金に上乗せ)を支払わなければなりません。それに対して高圧受電の場合には、自前のキュービクルを介して直接電力を引っ張るので、電力会社にメンテナンス料を支払う必要がありません。その分、電気料金の単価は低電圧よりも安くなります。
※キュービクルのメンテナンス費用は、自社・自店で用意する必要があります。
例えば、高圧受電を行った場合、小さな個人飲食店の場合では年間で10~20万円の節約になります。このように、キュービクルを導入することで大幅なコストカットにつながります。
このようにキュービクル導入が早ければ早いほど、より電気代が安くなります。もし自社・自店の電気料金を下げたいならキュービクルの導入をご検討されるべきではないでしょうか。
身近なコンビニを例として、キュービクル導入による電力料金の差額を見てみましょう。24時間電気を使うコンビニでは、1日平均480kWhもの電力を使うとされています。高圧受電と低圧受電による価格差は、1kWhあたり約15円ですから1日で7,200円もの差となってしまいます。
次に比較的電気使用量が多いとされる、北海道の冬場の暖房を例にして見てみましょう。北海道電力の電気料金単価では、
『従量電灯B(低圧電力)』280kWhをこえる分「1kWh/33円37銭」
『業務用電力(高圧電力)』一般料金「1kWh/18円12銭」
仮に1日280kWhの電気を使用した場合、
低圧電力は280kWh×33円37銭=9,343円
高圧電力は280kWh×18円12銭=5,073円
となり、1日で4,270円もの差になるわけです。
※単価は2016年5月のもの。引用先:商用電気料金攻略ブログ
1日480kWhで計算をすると、上記の1日あたりの低圧受電と高圧受電の価格差で言えば、480kWh×15円=7200円の差が生まれます。1日で『7,200円』月30日と考えても『216000円』、1年365日では『259万2000円』という膨大な価格差が生じます。電気をたくさん使う方にとっては、高圧受電契約はたとえ初期費用がかかっても、有効な手段と成りうるわけです。
このようにキュービクルの導入は、自社や自店の電気料金を抑える有効な手段となります。特に工場などは導入すればそのまま電気代が利益となり、浮いた費用で人材を増やすなどして事業を加速させることも可能です。
キュービクルを導入すれば、電気料金を大幅に下げることができることは既にご説明しました。だとしても、初期導入費に大きな負担を感じる方々もいらっしゃるかもしれません。しかし、キュービクルの導入費用自体も下げる方法もあるとすれば、どうでしょう?次の項目ではキュービクルの導入費用を下げる、具体的な方法について、詳しくお話したいと思います。
中古キュービクルという機器をご存じでしょうか?中古キュービクルとは、単にキュービクルを再利用するものではありません。筐体・トランス・配電盤・各種スイッチ類など。使われなくなったキュービクルを部品単位で解体し、顧客のオーダーや仕様によって新たに組みなおす。必要であれば、新品部品も追加する。
こうして新たに組み立てられたキュービクルを、このサイトでは「中古キュービクル」もしくは「再生キュービクル」と呼びます。中古キュービクルは、新品同様の性能と耐久性にもかかわらず、機材価格は新品のおよそ半額でこれは大きな強みだといえるでしょう。
中古キュービクルを検討する際に気を付けなければならないのが企業選びです。中古キュービクルは、複数のリサイクル部品で組み立て直す訳ですが、この作業にはキュービクルメーカーと同様、熟練した職人の技術が必要になります。
さらに中古キュービクルをリビルト製品として流通させるのは、豊富な優良部品の確保も不可欠です。変電設備は大きな鉄の筐体や、重量のあるトランスなどで構成されているため、在庫確保には広大な敷地も必要です。
逆に言えば、これらの条件を満たしていない業者から機材を購入すれば、納期が遅く故障や事故を生む可能性があるということ。電力は自社・自店の基幹をなす大事な動力源です。迅速な導入と故障や事故を避ける意味でも、業者選びは慎重に行いたいものですね。
また気を付けたいのが、キュービクルの移設工事。購入と設置を別々の企業に発注してしまった場合、移送・設置工事といった諸経費が個別に発生します。移送や設置工事はそれだけで1つの業務となるため、たとえ個別に価格交渉をおこなっても、そこまで割安になることはありません。
中古キュービクルの購入から設置までを一貫して発注すれば、大幅なコストカットが可能なほか、価格交渉による割引効果も大きくなります。中古キュービクルを購入する際は、移設業務~設置工事まで、トータルで対応してくれる業者を選ぶのが賢い選択だといえるでしょう。
尚、中古キュービクルについての情報は、以下のサイトで詳しく紹介されています。ぜひご覧ください。
このサイトでは、キュービクルの購入から設置までの手順、キュービクル導入によるメリットなどをお伝えしました。キュービクルは新品だけでなく、中古品もあることがお分かりいただけましたでしょうか?「中古キュービクル」を利用すれば、効率よく費用を抑えることが可能です。
企業や商店にとって、キュービクルの導入はあくまで副次的なものかもしれません。けれど、テナント運営や新たな電設機器の導入に、キュービクルは不可欠です。同じくキュービクルを導入するのであれば、限られた予算を有効活用できる賢い選択をしたいものです。